本文へジャンプ

研究者情報

データ更新日:2024年04月16日

飯島 洋 (いいじま ひろし) 准教授 IJIMA Hiroshi

メール

所属組織・役職等

人間社会研究域 学校教育系

教育分野

【学士課程】
人間社会学域 学校教育学類
人間社会学域 人文学類
【大学院前期課程】
人間社会環境研究科 人文学専攻
【大学院後期課程】
人間社会環境研究科 人間社会環境学専攻 人文学コース

所属研究室等

飯島研究室

学歴

【出身大学院】
京都大学大学院 修士課程 文学研究科 国語学国文学 修了
【出身大学】
京都大学 文学部 国語学国文学専攻 卒業
【取得学位】
修士

職歴

生年月

所属学会

日本近代文学会
日本比較文学会
昭和文学会 編集委員(2016-2018)
芸術至上主義文芸学会

学内委員会委員等

受賞学術賞

専門分野

日本文学、文学一般

専門分野キーワード

日本近代文学、比較文学

研究課題

昭和文学・比較文学研究

福永武彦、辻邦生、堀田善衞、堀辰雄、伊藤整といった、外国文学を受容しながら日本に本格的なフィクションを根付かせようとした、昭和の作家たちの作品を研究している。虚構というシステムを経由することで、なにを語ることができるのか、なぜ虚構が必要とされるのかを考察する。特に近年は、文学が描く、戦争・災害といった集合的な災厄から、個人的な被害・喪失体験に至るまで、痛苦の記憶を抱えた人間の問題に関心を持ち、語りがたいことを文学テクストがいかに伝えうるかについて研究をすすめている。特に二つの大戦を経て、文学・芸術は秩序や美を表象するものと素朴に解することはできなくなっている。現代における虚構の持つ意味を考えることを究極目標に、自筆資料や旧蔵書、同時代文献などを足がかりとし、影響を受けた外国文献の原典読解もふまえて個別の作品を読解している。
たとえばある不遇の画家の生涯を描いた辻邦生『廻廊にて』(1963)で、主人公が第二次世界大戦後の一時期生活を共にした、強制収容所体験を持つ彫刻家は、「美感というより、ある種の嫌悪感をかきたてる」「醜悪と恐怖の形象化」としか言いようのない作品群を制作したのち自ら命を絶つ。この彫刻家にとって創造行為とはなんなのか、また最後に自らの生と和解する主人公にとってこの死はいかなる意味を持つのか、さらに彼らの世界を『廻廊にて』という作品において語る語り手はどのような役割を担っているのか。テクストの言葉、さらにその背後に沈黙している無数の「声」に耳を傾け、解き明かしてゆく。

著書

  • 文華復刻版 三人社 2022/05 その他
  • 越境する歴史学と世界文学  臨川書店 2020/03 共著 978-4-653-04388-1
  • 日本の文学理論 水声社 2017/06 共著
  • 虚構の生 堀辰雄の作品世界 世界思想社 2016/02 単著 978-4-7907-1676-1
  • 近代文学草稿・原稿研究事典 八木書店 2015/02 分担執筆

論文

  • 「月刊タイムス」の「沖縄戦記録文学」をめぐって―痛苦の記憶を語る通路― 金沢大学人間社会学域学校教育系紀要 16号 49-54頁 2024/03
  • 福永武彦『死の島』論 語り得ぬことを伝える 国語国文 90巻 7号 1-21頁 2021/07 査読有 原著論文
  • 『風立ちぬ』の文法 言語文化論叢 25号 115 - 126頁 2021/03 
  • ふたつの百日紅―堀辰雄「閑古鳥」と福永武彦『草の花』における生者と死者 年報 福永武彦の世界 5号 47-51頁 2020/03 研究論文(学術雑誌)
  • 伊藤整『発掘』の原稿について―人間認識の転回 日本近代文学館年誌 15号 65-77頁 2020/03 研究論文(学術雑誌)

全て表示

  • 伊藤整「灯をめぐる虫」における〈仮面紳士〉 近代文学資料研究 3号 25-30頁 2020/03 研究論文(学術雑誌)
  • 伊藤整『若い詩人の肖像』の生成 自己虚構という批評 国語と国文学 96巻 9号 49-61頁 2019/09 査読有 研究論文(学術雑誌)
  • 伊藤整『小説の方法』原稿研究 抑圧された構想  国語国文 87巻 11号 43-60頁 2018/11 査読有
  • 初期伊藤整における自己表象・虚構・ロレンス 「浪の響のなかで」をめぐる問題 言語文化論叢 22号 101-111頁 2018/03 査読無
  • 伊藤整「海の見える町」の生成 『若い詩人の肖像』における自己表象 京都大学国文学論叢 38号 65-73頁 2017/09 査読有
  • 中村真一郎『死の影の下に』五部作の人間像 プルースト受容とその展開 国語国文 86巻 6号 661-672頁 2017/06
  • 伊藤整『若い詩人の肖像』あとがき草稿の問題―自伝という虚構 日本近代文学 96巻 108-113頁 2017/05 査読有
  • 福永武彦と辻邦生―幻視の系譜― 年報・福永武彦の世界 4号 43-47頁 2017/03
  • 辻邦生の初期小説論における「明るさ」とハイデッガー 『小説への序章』注釈の試み 近代文学資料研究 2号 49-55頁 2017/03 査読無
  • 福永武彦「遠方のパトス」論―生と死のあいだ 言語文化論叢 21巻 121-130頁 2017/03
  • 辻邦生『廻廊にて』の〈証言者〉 -初期小説論における「ナラシオン」の問題とのかかわり- 京都大学国文学論叢 36号 81-94頁 2016/09 査読有
  • 福永武彦「世界の終り」論 「現代の悲劇性」への眼差し 日本近代文学 94号 92-106頁 2016/05 査読有
  • 辻邦生「ある晩年」論 全体性と死と 言語文化論叢 20号 141-156頁 2016/03 査読無
  • 堀辰雄・Geneviève・モダンガール―物語の女たちとその時代― 言語文化論叢 19号 109-118頁 2015/03 研究論文(学術雑誌)
  • 「菜穂子」の都築明 堀辰雄・立原道造・ヘルダーリン 近代文学資料研究 1号 77-85頁 2015/03 研究論文(学術雑誌)
  • 村野四郎「予感」とリルケ-Dinggedichtと存在の問題- 飯島洋 金沢大学人間社会学域学校教育学類紀要 6号 2014/03
  • ‚Die Aufzeichnungen des Mlate Laurids Brigge‘の堀辰雄訳をめぐって-「手記」の恐怖から「菜穂子」の不安へ- 飯島洋 言語文化論叢 18号 2014/03
  • 「ふるさとびと」論―もう一つの生の可能性― 飯島洋 四季派学会論集 18号 2013/12 査読有 研究論文(学術雑誌)
  • 堀辰雄『風立ちぬ』論―小説への意志 芸術至上主義文芸 39号 2013/11 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
  • 翻訳 Les Elegies de Duino, traduit par J.F.Angelloz : Commentaire de la premiere Elegie, Commentaire de la deuxieme Elegie 四季派学会論集 18号 2013
  • 「菜穂子」の生-堀辰雄とリルケ関連フランス語文献- 言語文化論叢 17号 99-119頁 2013/03
  • 伊藤整「イカルス失墜」論--その成立基盤と作品解釈 飯島 洋 国語国文 79巻 7号 45-60頁 2010/07 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
  • 「アカシアの匂に就て」論 : 伊藤整における或る転回 (小特集 近世・近代文学) 飯島 洋 京都大学國文學論叢 20巻 124-136頁 2009/02 研究論文(学術雑誌) 
  • 「かげろふの日記」論--リルケ受容からの逸脱 飯島 洋 国語国文 77巻 3号 32-47頁 2008/03 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
  • 堀辰雄「ほととぎす」攷 「菜穂子」への序奏 飯島 洋 京都大学國文學論叢 14巻 17-32頁 2005/09 原著論文 研究論文(学術雑誌) 
  • 伊藤整「生物祭」攷 ある屈折 飯島 洋 京都大学國文學論叢 12巻 57-71頁 2004/09 原著論文 研究論文(学術雑誌) 
  • 「聖家族」の方法 現実・虚構・幻影 飯島 洋 京都大学國文學論叢 10巻 28-43頁 2003/10 原著論文 研究論文(学術雑誌) 
  • 「聖家族」の心理描写 飯島 洋 国語国文 72巻 1号 21-37頁 2003/01 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)

講演・口頭発表等

  • トラウマを語る―伝達の不可能性と可能性(会議名:世界文学・語圏横断ネットワーク)(2019/09/02)
  • 座談会 福永武彦研究の過去・現在・未来(紙上参加)(会議名:年報 福永武彦の世界)(2020/02/26)
  • グローバル・ヒストリーと世界文学 ディスカッサント(会議名:国際ワークショップ「グローバル・ヒストリーと世界文学」)(2019/06/02)
  • 堀辰雄から福永武彦へ―受け継がれる虚構への意志(会議名:緑陰講座)(2018/08)
  • 中村真一郎の描く戦時―『死の影の下に』五部作の人間像(会議名:四季派学会)(2016/06)

全て表示

  • 福永武彦「世界の終り」について —帰れない場所—(会議名:四季派学会)(2013/12/14)
  • 「菜穂子」の世界-堀辰雄とリルケ関連フランス語文献-(会議名:日本近代文学会北陸支部)(2012)

その他(報告書など)

芸術・フィールドワーク

特許

共同研究希望テーマ

科研費

○基盤研究(C)「現代文学における戦争トラウマ記憶の表象に関する研究」(2023-2025) 代表者
○基盤研究(B)「近代作家旧蔵書群を対象とする調査・保護・データ化と横断的分析に関する総合的研究」(2022-2026) 分担者

競争的資金・寄付金等

共同研究・受託研究実績

A-STEP採択課題

学域・学類担当授業科目

○日本近現代文学Ⅰ(2023)
○日本近現代文学Ⅱ(2023)
○日本の文学(2023)
○日本の文学(2023)
○日本文学講読(2023)
○近現代文学演習(2023)
○日本文学講読(2023)
○近現代文学演習(2023)
○国語科基礎B(書写を含む)(地域の文学を含む)(2023)

大学院担当授業科目

○日本近現代文学演習Ⅰ2(2023)
○比較文学基礎論2(2023)
○日本近現代文学特論2(2023)
○日本近現代文学演習Ⅰ1(2023)
○日本近現代文学特論1(2023)
○比較文学基礎論1(2023)
○日本近現代文学演習Ⅱ2(2022)
○近代文学と古典Ⅱ1(2022)
○比較文学基礎論2(2022)
○日本近現代文学演習Ⅱ1(2022)
○比較文学基礎論1(2022)
○近代文学と古典Ⅱ2(2022)
○比較文学演習Ⅰd1(2022)
○比較文学演習Ⅰd2(2022)

他大学の客員教授

教育活動(FD)に関する研究

国際事業協力

留学生参加の社会活動

審議会等の参加

講演可能なテーマ

○昭和前期の文学
○日本近代文学とヨーロッパ文学
○報道とメディア・リテラシー

その他公的社会活動

このページの先頭へ