福士 圭介 (ふくし けいすけ) 教授 FUKUSHI Keisuke
所属組織・役職等
環日本海域環境研究センター
教育分野
【大学院前期課程】
自然科学研究科 自然システム学専攻
【大学院後期課程】
自然科学研究科 自然システム学専攻
所属研究室等
TEL:076-264-6520 FAX:076-264-6545
学歴
【出身大学院】
金沢大学 博士課程 自然科学研究科 2003/03 修了
【出身大学】
北海道大学 工学部 1998/03 卒業
【取得学位】
博士(理学)
修士(工学)
職歴
独立行政法人 物質・材料研究機構 エコマテリアル研究グループ 独立行政法人 物質・材料研究機構 技術補助員(2003/04/01-2003/05/31)
独立行政法人 産業技術総合研究所 深部地質環境研究センター 独立行政法人 産業技術総合研究所 特別研究員(2003/06/01-2004/06/30)
ジョンズホプキンス大学 ジョンズホプキンス大学 ポスドク(2004/07/01-2006/07/15)
金沢大学 自然計測応用研究センター 金沢大学 自然計測応用研究センター(2006/07/16-)
生年月
1975年10月
所属学会
学内委員会委員等
受賞学術賞
○平成16年度日本粘土学会奨励賞(2004/09/17)
○日本鉱物科学会研究奨励賞(2009/09/09)
○日本地球化学会研究奨励賞(2010/09/10)
○資源・素材学会論文賞(2010/03/31)
専門分野
岩石・鉱物・鉱床学、地球宇宙化学
専門分野キーワード
モンゴル,地球化学モデリング,表面錯体モデリング,化学平衡,準安定相,水質予測,水惑星学,粘土鉱物,含水鉱物,吸着
研究課題
鉱物への溶質吸着挙動の予測
水は地球表層におけるもっとも重要な元素の移動媒体の一つでです。多くの元素は水を介して岩石から溶けだし、また水から岩石に取り込まれることによって、地球表層を動いたり留まったりしています。水-岩石間の元素の分配を支配する化学反応を理解し、それに基づいて定量的に元素分配を予測することを目指した研究を行っています。
地球表層に存在する鉱物は微量元素に対する吸着体として働きます。イオン-鉱物界面反応のその場分光分析や、表面錯体モデリング手法を用いることで、鉱物表面によるイオン吸着メカニズムを明らかにしたり、吸着挙動を定量的に予測する手法の研究を進めています。
環境鉱物学的手法による環境復元
土壌・堆積物・岩石に含まれる鉱物には過去に生じた化学反応が記録されています。鉱物に残された化学反応を、天然試料の分析とその熱力学的・反応速度論的・移動現象論的な解析から読みとくことで、過去の地球表層環境を復元する試みを行っています。この手法を放射性廃棄物処分のためのナチュラルアナログ研究に応用する試みも行っています。
自然に学ぶ環境浄化材料の開発
天然に認められる地球化学プロセスを応用した低環境負荷・低コスト・高効率の環境浄化材料づくりを目指しています。
モンゴル・フブスグル湖の堆積物中からモノハイドロカルサイト(MHC)という地質中では非常に珍しい鉱物が発見されました。MHCの低環境負荷性・高い反応性に着目し、MHCが水に溶けた有毒なヒ素を取り込んで無毒化する性質があることを確認しました。
著書
論文
- 風化花崗岩のモ-ドとその定量的評価 福士圭介,米田哲朗,中島巌 資源と素材 116巻 711-716頁 2000 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- A natural attenuation of arsenic in drainage from an abandoned arsenic mine dump 18巻 1267-1278頁 2003 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- Solid-solution reactions in As(V) sorption by schwertmannite 37巻 3581-3586頁 2003 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- Formation of Noncrystalline Pseudomorph after NaA Zeolite at Acid Condition 107-110頁 2003 査読有 原著論文 研究論文(プロシーディング)
- 天然産アロフェン表面酸/塩基特性の表面錯形成モデリングによる解析 福士圭介・鈴木正哉 粘土科学 43巻 180-185頁 2004 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- Arsenate sorption on schwertmannite 89巻 1728-1734頁 2004 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- Nanoporous Glass by Pseudomorphic Transformation of Zeolinte. 29巻 2183-2186頁 2004 査読有 原著論文 研究論文(プロシーディング)
- Using a surface complexation model to predict the nature and stability of nanoparticles 39巻 1250-1256頁 2005 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- Mechanisms of alkaline buffering by peat and quantitative estimation of its buffering capacity 1巻 127-134頁 2005 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- Pseudomorphic Amorphism after Zeolite-LTA at Acid Conditions: XRD, SEM and NMR characterization 30巻 1097-1100頁 2005 査読有 原著論文 研究論文(プロシーディング)
- Anion adsorption on oxide surfaces: Inclusion of the water dipole in modeling the electrostatics of ligand exchange 40巻 263-271頁 2006 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- Surface acidity of amorphous aluminum hydroxide 80巻 206-211頁 2006 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- A predictive model (ETLM) for As(III) adsorption and surface speciation on oxides consistent with spectroscopic data 70巻 3778-3802頁 2006 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- A surface complexation model for sulfate and selenate on iron oxides consistent with spectroscopic and theoretical molecular evidence 71巻 1-24頁 2007 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- Natural attenuation of antimony in mine drainage water 41巻 17-27頁 2007 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- A predictive model (ETLM) for arsenate adsorption and surface speciation on oxides consistent with spectroscopic and theoretical molecular evidence 71巻 3717-3745頁 2007 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- 自然浄化機構に学ぶ新しい資源回収型酸性坑廃水処理方法の開発 伊藤健一,福士圭介,橋本晃一,田中小満,池田穂高,佐藤努,米田哲朗 Journal of MMIJ 124巻 519-528頁 2008 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- Transformation kinetics of monohydrocalcite to aragonite in aqueous solution 103巻 345-349頁 2008 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- Prediction of iodide adsorption on oxides by surface complexation modeling with spectroscopic confirmation. 332巻 309-316頁 2009 査読有 原著論文
- シュベルトマナイトへの様々なオキシ陰イオンの吸着とその後の安定性 高田盛生・福士圭介・佐藤努・米田哲朗 粘土科学 47巻 255-260頁 2008 査読有 原著論文
- Extended Triple Layer Modeling of Arsenate and Phosphate Adsorption on a Goethite-based Granular Porous Adsorbent Kanematsu, M. Young T.M. Fukushi, K. Green, P.G. and Darby, J.L. ENVIRONMENTAL SCIENCE & TECHNOLOGY 44巻 3388-3394頁 2010/02 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- Iron-bentonite interactions in the Kawasaki bentonite deposit, Zao area, Japan Fukushi, K. Sugiura, T. Morishita, T. Takahashi, Y. Hasebe, N. and Ito, H. APPLIED GEOCHEMISTRY 25巻 1120-1132頁 2010/04 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- Prediction of iodate adsorption and surface speciation on oxides by surface complexation modeling Nagata T and Fukushi, K. GEOCHIMICA ET COSMOCHIMICA ACTA 74巻 6000-6013頁 2010/10 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- Quantification of the effects of organic and carbonate buffers on arsenate and phosphate adsorption on a goethite-based granular porous adsorbent Kanematsu, M. Young T.M. Fukushi, K. Sverjensky, D. Green, P.G. and Darby, J.L. Environmental Science and Technology 45巻 561-568頁 2011/03 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- Phosphate sorption on monohydrocalcite 八木新大朗, 福士圭介 Journal of Mineralogical and Petrological Sciences 106巻 109-113頁 2011/07 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- 注目の論文 南・東南アジアの大規模地下水ヒ素汚染 月刊化学 66巻 66-67頁 2011/07 査読無 解説 研究論文(学術雑誌)
- 先進的表面錯体モデリングによる酸化物への陰イオン吸着挙動の予測 地球化学 45巻 147-157頁 2011/09 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
- 天然での有害無機陰イオンの挙動とマネージメント 佐藤 努,福士 圭介,米田 哲朗 Journal of MMIJ 123巻 4号 132-144頁 2007
- 風化花崗岩のモードとその定量的評価 福士 圭介,米田 哲朗,中島 巌 資源と素材 : 資源・素材学会誌 : journal of the Mining and Materials Processing Institute of Japan 116巻 8号 711-716頁 2000/08
- 自然に学ぶ環境浄化技術とその事業化 (小特集 産学官連携による実用化技術への取組み) 佐藤 努,伊藤 健一,福士 圭介 地質と調査 2005巻 1号 12-16頁 2005
- 天然産アロフェン表面酸/塩基特性の表面錯形成モデリングによる解析 福士 圭介,鈴木 正哉 粘土科学 43巻 4号 180-185頁 2004/05
- 廃棄物処分のナチュラルアナログ研究 : あまりアナログにこだわるな 佐藤 努,福士 圭介 資源地質 53巻 2号 193-200頁 2003/12
- フェリハイドライト・シュベルトマナイトの生成と環境親和物質としての役割(<特集>地球サブシステムとしての粘土圏の役割 : 環境親和物質としての粘土) 福士 圭介,佐藤 努 粘土科学 42巻 3号 148-153頁 2003/03
- 水-鉱物相互作用の素過程としてみた吸着反応(<シンポジウム特集>「粘土科学若手研究者が語る将来の夢」〜新世紀始まりの潮流〜) 福士 圭介 粘土科学 48巻 2号 82-91頁 2009/08
- 水溶液中における酸化マグネシウムの変質挙動 矢部 太章,福士 圭介,伊藤 弘志,窪田 宗弘,桝谷 優輔 粘土科学 49巻 3号 135-140頁 2011/03
- 鉱物による無機陰イオン種の吸着に関する研究 福士 圭介 岩石鉱物科学 39巻 1号 19-25頁 2010/01
- 粘土によるイオン吸着のモデリング(粘土基礎講座I ワーキンググループ連載解説) 福士 圭介 粘土科学 47巻 2号 93-103頁 2008/08
- 酸化物による無機陰イオンの吸着 : 吸着実験による巨視的吸着挙動とその場分光分析による微視的表面錯体構造 福士 圭介 粘土科学 47巻 3号 121-158頁 2008/11
講演・口頭発表等
その他(報告書など)
- 文献紹介-スメクタイトによる無機イオンの収着現象への表面錯体モデルの適用- 福士圭介,佐藤努 10巻 34-36頁 2000 ⑮その他
- 廃棄物処分のナチュラルアナログ研究-あまりアナログにこだわるな- 佐藤努,福士圭介 53巻 193-200頁 2003 ⑪講演資料等(セミナー,チュートリアル,講習,講義他)
- フェリハイドライト・シュベルトマナイトの生成と環境親和物質としての役割 福士圭介,佐藤努 42巻 148-153頁 2003 ⑪講演資料等(セミナー,チュートリアル,講習,講義他)
- 高アルカリ環境の地球化学-いつ・どこで・どのように高アルカリ環境は生成し、そこで何が起きるのか?- 佐藤努,秋田奈生子,大世古光弘,荒井章司,福士圭介,横山信吾 3巻 60-77頁 2004 ⑪講演資料等(セミナー,チュートリアル,講習,講義他)
- 自然に学ぶ環境浄化技術とその事業化 佐藤努,伊藤健一,福士圭介,池田穂高,平野武嗣,橋本晃一 103巻 12-16頁 2005 ⑪講演資料等(セミナー,チュートリアル,講習,講義他)
- 天然での有害陰イオンの挙動とマネージメント 佐藤努,福士圭介,米田哲朗 123巻 132-144頁 2007 ⑪講演資料等(セミナー,チュートリアル,講習,講義他)
- 粘土によるイオン吸着のモデリング 福士圭介 47巻 93-103頁 2008 ⑫書評・文献紹介等
- 酸化物による無機陰イオンの吸着-吸着実験による巨視的吸着挙動とその場分光分析による微視的表面錯体構造 福士圭介 47巻 121-158頁 2008 ⑪講演資料等(セミナー,チュートリアル,講習,講義他)
- 水-鉱物相互作用の素過程としてみた吸着反応 48巻 82-91頁 2009 ⑪講演資料等(セミナー,チュートリアル,講習,講義他)
芸術・フィールドワーク
特許
○浄化システム(公開年月:2005/06/01)(特許番号:2005-161231)
○新規化合物、シュベルトマナイトの安定化方法、汚染水若しくは汚染土の浄化方法、リン酸の吸着方法(公開年月:2004/09/01)(特許番号:2004-256383)
○セレン及びクロムの吸着方法(公開年月:2005/04/01)(特許番号:2005-095732)
○安定性に優れたヒ素吸着物質及びそれを用いた汚染水等の浄化方法(公開年月:2005/01/01)(特許番号:2005-00871)
○酸性廃水成分の再資源化方法及び酸性廃水処理システム(公開年月:2005/11/01)(特許番号:2005-000875)
共同研究希望テーマ
科研費
○若手研究(スタートアップ)(2006-2009)「モンゴル・フブスグル湖沼堆積物に認められるモノハイドロカルサイトの生成と安定性」(2007-2007) 代表者
○若手研究(B)「水・酸化物界面における陰イオン表面化学種(スペシエーション)のその場分光観察」(2008-2010) 代表者
○挑戦的萌芽研究「準安定炭酸塩鉱物の水溶液中における相転移挙動のその場分光観察」(2011-) 代表者
競争的資金・寄付金等
○競争的資金(学外) (2007-2007) 研究 有害一価陰イオン(フッ素・ヨウ素)の鉄酸化物への吸着挙動の評価と予測モデルの作成 (財)三谷研究開発支援財団研究助成
○競争的資金(学外) (2011-2011) 教育 先進的表面錯体モデリングを用いた酸化物への陰イオン吸着予測モデルの構築 金沢大学重点戦略経費(研究活性化推進経費(重点研究経費)) 金沢大学
○寄附金 (2008-2008) 研究 岩石試料の化学分析および地球化学的解析 株式会社コベルコ科研
○寄附金 (2008-2008) 研究 技術移転にかかわる対価(安定性に優れたヒ素収着物質及びそれを用いた汚染水等の浄化方法) 有限会社 金沢大学ティ・エル・オー
共同研究・受託研究実績
○鉄-ベントナイト相互作用のナチュラルアナログ研究(2007-2009)
○坑道内水質モニタリング装置を用いた原位置固液分配係数の測定(2010-)
○モノハイドロカルサイトと珪藻土等との配合に関する研究(2010-2010)
○川崎鉱山のナチュラルアナログに基づくオーバーパック/緩衝材相互作用の影響評価(2011-2012)
A-STEP採択課題
学域・学類担当授業科目
○プレゼン・ディベート論(初学者ゼミⅡ)(2017)
○応用地球物質分析実験(2017)
○環境地球化学(2017)
○地球学巡検1(2017)
○生命・地球学概論(2017)
○地球化学実験(2017)
○地球データ解析実験(2017)
○環境地球化学(2017)
○プレゼン・ディベート論(初学者ゼミⅡ)(2017)
○地学実験(2017)
○大学・社会生活論(2017)
○初学者ゼミⅠ(2017)
○地学実験(2017)
○環境地球化学(2016)
○大学・社会生活論(2016)
○初学者ゼミⅠ(2016)
○地学実験(2016)
○プレゼン・ディベート論(初学者ゼミⅡ)(2016)
○地球化学実験(2016)
○地球学巡検1(2016)
○応用地球物質分析実験(2016)
○環境地球化学(2016)
○地球データ解析実験(2016)
○生命・地球学概論(2016)
○応用地球物質分析実験(2015)
○情報処理基礎(2015)
○地球化学実験(2015)
○地球データ解析実験(2015)
○地学実験(2015)
○大学・社会生活論(2015)
○教職地学(2015)
○教職地学(2015)
○教職地学(2015)
○環境地球化学(2015)
○地学実験(2014)
○情報処理基礎(2014)
○大学・社会生活論(2014)
○地球データ解析実験(2014)
○環境地球化学(2014)
○地球化学実験(2014)
○応用地球物質分析実験(2014)
大学院担当授業科目
他大学の客員教授
教育活動(FD)に関する研究
国際事業協力
留学生参加の社会活動
審議会等の参加
○人工バリアの設計・製作に関する技術課題検討専門委員会ワーキンググループ委員(2007-)