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研究者情報

データ更新日:2024年05月09日

山田 洋一 (やまだ よういち) 准教授 YAMADA Yoichi

メール

所属組織・役職等

理工研究域 生命理工学系

教育分野

【学士課程】
理工学域 生命理工学類 バイオ工学コース
【大学院前期課程】
自然科学研究科 電子情報科学専攻
【大学院後期課程】
自然科学研究科 電子情報科学専攻

所属研究室等

ゲノム情報工学研究室 TEL:076-234-4898 FAX:076-234-4900

学歴

【出身大学院】
東京大学 博士課程 修了
【出身大学】
筑波大学  卒業
【取得学位】
博士(医学)

職歴

生年月

所属学会

電子情報通信学会
日本バイオインフォマティクス学会
日本農芸化学会

学内委員会委員等

○理工教務委員会 委員(2022-2022)
○学生募集・広報委員会 委員(2020-2021)
○環境・安全衛生委員会 委員(2020-2021)
○理工教務委員会 委員(2017-2019)

受賞学術賞

専門分野

基礎ゲノム科学、Molecular biology、生体生命情報学、応用微生物学

専門分野キーワード

ゲノム科学、微生物学、バイオインフォマティクス

研究課題

酵母のグルコース抑制の研究

出芽酵母のアルコール発酵と好気呼吸の切り替えメカニズムを解明することは、酒類やエタノールの生産、そして酵母を用いた有用物質の生産に重要である。酵母におけるグルコース抑制とは、グルコースが好気呼吸代謝や他の糖代謝を抑制し,グルコースを用いたアルコール発酵を優先的に行う現象である。本研究室では、出芽酵母のリボソーム結合性分子シャペロン制御因子であるZuo1がグルコース抑制に必要であることを見いだし、Zuo1のグルコース抑制における役割を研究している(Yamada, et al., FEMS yeast research, 2023)。

酵母の多剤耐性の研究

真菌類の酵母であるカンジダ菌は,エイズや癌などにおける重篤な日和見感染症であるカンジダ症を引き起こすことが知られている.その治療にはフルコナゾールなどの選択毒性のある抗真菌薬が用いられている.しかしながら,薬剤長期投与時において多剤排出ポンプ遺伝子が発現昂進する多剤耐性株の出現が問題となっている.本研究室では,カンジダ菌と同様に真菌類に属する出芽酵母を用いて、多剤排出ポンプ遺伝子が発現昂進するメカニズムを解明する研究を行っている.最近では,ヒストン脱アセチル化酵素であるRPD3遺伝子とこれを特定の遺伝子に運搬する役割を持つUME6遺伝子が,ミトコンドリアDNAを欠損した出芽酵母における多剤排出ポンプ遺伝子の発現昂進と多剤耐性化に必要であることを初めて報告している(Yamada, BMC Microbiology, 2021)。

ゲノムメチル化の研究

哺乳類細胞中に存在するCpGメチレースと呼ばれる酵素は、ゲノム上の殆どのCpG配列のシトシン塩基にメチル基を付加(メチル化)する。この例外は、ヒトの約半数の遺伝子転写制御領域(プロモータ)に存在するCpG配列に富んだCpG island (CGI)である。CGI上のCpGジヌクレオチド配列は通常、すべての発生段階及び成体組織においてメチル化から免れている。しかしながら、由来する親の性別に依存して一方のアレルのみが発現するインプリント遺伝子近傍とX染色体上に存在するCGIはこの例外であり、アレル特異的なメチル化を受けている。
メチル化は、個々の遺伝子の発生段階・各組織特異的な機能発現制御、ゲノム刷り込み現象、雌におけるX染色体不活化、そしてゲノムに侵入したウイルスの不活性化による生体防御など、哺乳類の生命維持に不可欠である。
我々は、ヒト21番及び11番染色体上のCGIのアレル別のメチル化状態を網羅的に調べ、配列に依存したアレル特異的メチル化を初めて同定した(Yamada et al., Genome Res., 2004)。
また、海外の複数の研究グループにより、配列依存的アレル特異的メチル化は、ヒト及びマウスゲノム上において普遍的に存在することが報告されている。このため、非コーディング領域における多型配列が引き起こす各種疾患感受性差異のメカニズムを、配列依存的アレル特異的メチル化により引き起こされる遺伝子発現差異を通して理解できるのではないかと期待されている。また実際に、FTO (fat mass and obesity associated)Type 2糖尿病・肥満では、疾患感受性ハプロタイプ特異的なメチル化が既に報告されている。
このため本研究室では、次世代シークエンサーを用いて一塩基解像度で全ゲノムメチル化シークエンスを行い、この大量データの情報解析を行うことで、配列依存的アレル特異的メチル化の研究を行っている。

計算機を駆使した遺伝子発現データからの有用知見の抽出

マイクロアレイは、数千、数万の遺伝子機能発現状態を一度に定量化可能な遺伝子工学の技術である。しかしながらこのような膨大な遺伝子発現データから有用な知見を発見するためには、人手による作業では限界がある。そこで、我々はコンピュータを用いた統計解析やクラスタリングなどの手法を駆使して、マイクロアレイデータから有用な知見を発見するためのアルゴリズム開発を行っている。

著書

  • e‐Learningを利用した情報処理基礎 Windows8.1,Office 2013対応編 学術図書出版 2014/04 原著書 共著 松本豊司、小松崎俊彦、高山知明、山田洋一、日比野由利、柳在圭、鷲山幸信
  • e‐Learningを利用した情報処理基礎 Windows8,Office 2013対応編 学術図書出版 2013/04 原著書 共著 松本豊司、小松崎俊彦、高山知明、山田洋一、日比野由利、柳在圭、中山和也 

論文

  • In Saccharomyces cerevisiae ρ0 cells, UME6 contributes to the activation of ABC transporter genes and pleiotropic drug resistance via RPD3 and PDR3 Funasaka M., Ota M., Yamada Y., Microbiology Research 15巻 734–745頁 2024 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
  • Zuo1, a ribosome-associated J protein, is involved in glucose repression in Saccharomyces cerevisiae. Yamada Y, Shiroma A, Hirai S, Iwasaki J, FEMS Yeast Research 2023 査読有 研究論文(学術雑誌)
  • UME6 Is Involved in the Suppression of Basal Transcription of ABC Transporters and Drug Resistance in the ρ+ Cells of Saccharomyces cerevisiae.  Yamada Y, Microorganisms 10巻 601号 14 pages頁 2022 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
  • RPD3 and UME6 are involved in the activation of PDR5 transcription and pleiotropic drug resistance in ρ0 cells of Saccharomyces cerevisiae.  Yamada Y, BMC Microbiology 21巻 311号 2021 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
  • A method for identifying allele-specific hydroxymethylation.  Yamada Y, Sasaki S, Epigenetics 15 (3)巻 231-250頁 2020 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)

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  • NF-κB-induced NOX1 activation promotes gastric tumorigenesis through the expansion of SOX2-positive epithelial cells. Echizen K, Horiuchi K, Aoki Y, Yamada Y, Minamoto T, Oshima H, Oshima M Oncogene 2019 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
  • Intestinal cancer progression by mutant p53 through the acquisition of invasiveness associated with complex glandular formation. Nakayama M, Sakai E, Echizen K, Yamada Y, Oshima H, Han T-S, Ohki R, Fujii S, Ochiai A, Robine S, Voon DC, Tanaka T, Taketo MM and Oshima M Oncogene 36巻 42号 5885-5896.頁 2017 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
  • Myeloid Differentiation Factor 88 Signaling in Bone Marrow-Derived Cells Promotes Gastric Tumorigenesis by Generation of Inflammatory Microenvironment. Maeda Y, Echizen K, Oshima H, Yu L, Sakulsak N, Hirose O, Yamada Y, Taniguchi T, Jenkins BJ, Saya H, Oshima M. Cancer Prev Res 9巻 3号 253-263頁 2016 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
  • Factors to preserve CpG-rich sequences in methylated CpG islands Miyahara H., Hirose O., Satou K., Yamada Y. BMC Genomics 16巻 144号 2015 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
  • D-IMPACT: A Data Preprocessing Algorithm to Improve the Performance of Clustering Tran V.A., Hirose O., Saethang T., Nguyen L.A.T., Dang X.T., Le T.K.T., Ngo D.L., Gavrilov S., Kubo M., Yamada Y., Satou K. Journal of Software Engineering and Applications 7巻 8号 639-654頁 2014 査読有 研究論文(学術雑誌)
  • Regional DNA methylation differences between humans and chimpanzees are associated with genetic changes, transcriptional divergence and disease genes Fukuda K., Ichiyanagi K., Yamada Y., Go Y., Udono T., Wada S., Maeda T., Soejima H., Saitou N., Ito T., Sasaki H. Journal of Human Genetics 58(7)巻 446-454頁 2013 査読有 研究論文(学術雑誌)
  • TNF-α/TNFR1 signaling promotes gastric tumorigenesis through induction of Noxo1 and Gna14 in tumor cells Oshima H., Ishikawa T., Yoshida G.J., Naoi K., Maeda Y., Naka K., Ju X., Yamada Y., Minamoto T., Mukaida N., Saya H., Oshima M. Oncogene 33(29)巻 3820-3829頁 2013 査読有 研究論文(学術雑誌)
  • Validation of MIMGO: a method to identify differentially expressed GO terms in a microarray dataset. Yamada Y., Sawada H., Hirotani K., Oshima M., Satou K., BMC Research Notes 5巻 680号 12 pages頁 2012 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
  • Highly efficient PCR assay to discriminate allelic DNA methylation status using whole genome amplification. Yamada Y., Ito T. BMC Research Notes 4巻 179号 6 pages頁 2011 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
  • An identification method of data-specific GO terms from a microarray data set Yoichi Yamada, Ken-ichi Hirotani, Kenji Satou, Ken-ichiro Muramoto IEICE TRANSACTIONS ON INFORMATION AND SYSTEMS E92-D巻 5号 1093-1102頁 2009/05 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
  • Changes of phospho-growth associated protein 43 (phospho-GAP43) in zebrafish retina after optic nerve injury: a long term observation Manabu Kaneda, Mikiko Nagashima, Tomoya Nunome, Takanori Muramatsu, Yoichi Yamada, Mamoru Kubo, Ken-ichiro Muramoto, Toru Matsukawa, Yoshiki Koriyama, Kayo Sugitani, Ivan H. Vachkov, Kazuhiro Mawatari, Satoru Kato Neurosci. Res. 61巻 281-288頁 2008 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
  • Diverse DNA Methylation Status at Alternative Promoters of Human Genes in Various Normal Tissues Jieun Cheong, Yoichi Yamada, Riu Yamashita, Takuma Irie, Akinori Kanai, Hiroyuki Wakaguri, Kenta Nakai, Takashi Ito, Izumu Saito, Sumio Sugano, Yutaka Suzuki DNA Research 13巻 155-167頁 2006 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
  • A comprehensive allelic methylation analysis of CpG islands on human chromosome 11q Yoichi Yamada, Tomoyo Shirakawa, Todd Taylor, Kohji Okamura, Hidenobu Soejima, Michiko Uchiyama, Tsuyoshi Iwasaka, Tsunehiro Mukai, Ken-ichiro Muramoto, Yoshiyuki Sakaki, Takashi Ito DNA SEQUENCE 17巻 300-306頁 2006 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
  • A yeast one-hybrid system to detect methylation-dependent DNA-protein interactions. Shu-Ying Feng, Kazuhisa Ota, Yoichi Yamada, Nobuaki Sawabu, Takashi Ito BIOCHEMICAL AND BIOPHYSICAL RESEARCH COMMUNICATIONS 23巻 922-925頁 2004 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)
  • A comprehensive analysis of allelic methylation status of CpG islands on human chromosome 21q. Yoichi Yamada, Hidemi Watanabe, Fumihito Miura, Hidenobu Soejima, Michiko Uchiyama, Tsuyoshi Iwasaka, Tsunehiro Mukai, Yoshiyuki Sakaki, Takashi Ito GENOME RESEARCH 14巻 247-266頁 2004/02 査読有 原著論文 研究論文(学術雑誌)

講演・口頭発表等

その他(報告書など)

芸術・フィールドワーク

特許

共同研究希望テーマ

科研費

○基盤研究(C)(一般)「出芽酵母の分子シャペロン制御因子によるグルコース抑制の制御」(2024-2026) 代表者
○基盤研究(C)(一般)「配列依存的アレル特異的ヒドロキシメチル化の普遍性の検証」(2015-2017) 代表者
○基盤研究(C)(一般)「配列依存的アレル特異的ヒドロキシメチル化の探索」(2012-2014) 代表者
○若手研究(B)「転写因子遺伝子群に限定した網羅的ヒトインプリント遺伝子の探索」(2007-) 代表者
○若手研究(B)「網羅的アレル別メチル化解析によるヒトメチル化ボディマップの作成」(2005-) 代表者

競争的資金・寄付金等

○その他 (2015-2016) 研究 日本医療研究開発機構(AMED)創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム事業公募支援研究
○競争的資金(学外) (2022-2022) 研究 研究助成 公益財団法人 三谷研究開発支援財団
○競争的資金(学外) (2018-2019) 研究 大学の新技術研究活動への奨励金 澁谷学術文化スポーツ振興財団

共同研究・受託研究実績

○文部科学省科学技術振興費ゲノムネットワークプロジェクト事業,「ショットガン戦略による高分解能メチル化ボディマッピング」(2006-2008)
○文部科学省科学技術振興費ゲノムネットワークプロジェクト事業,「メチル化ボディマップと蛋白質DNA相互作用情報の統合」(2004-2006)

A-STEP採択課題

学域・学類担当授業科目

○生命理工学概論B(2019)
○生命科学技術論B(2019)
○生命情報システム設計(2019)
○生命理工学概論A(2018)
○分子生物情報学(2018)
○分子生物情報学(2018)
○生命情報システム設計(2018)
○国際研修B(2018)
○生命理工学概論B(2018)
○生命科学技術論A(2018)
○生命科学技術論B(2018)
○分子生物情報学(2017)
○分子生物情報学(2017)
○生命情報システム設計(2017)
○ 自主課題研究(2016)
○生命情報システム設計(2016)
○プレゼン・ディベート論(初学者ゼミⅡ)(2016)
○プレゼン・ディベート論(初学者ゼミⅡ)(2016)
○初学者ゼミⅠ(2016)
○初学者ゼミⅠ(2016)
○分子生物情報学(2016)
○分子生物情報学(2016)
○生物学Ⅰ(2015)
○分子生物情報学(2015)
○初学者ゼミ(2015)
○分子生物情報学(2015)
○生命情報システム設計(2015)
○初学者ゼミ(2015)
○初学者ゼミ(2014)
○初学者ゼミ(2014)
○生物学Ⅰ(2014)
○分子生物情報学(2014)
○分子生物情報学(2014)
○生命情報システム設計(2014)

大学院担当授業科目

○分子生物学特論(2019)
○ゲノム情報学基礎論B(2019)
○分子生物学特論(2018)
○ゲノム情報学基礎論B(2018)
○分子生物学特論(2017)
○ゲノム情報学基礎論B(2017)
○分子生物学特論(2017)
○研究者として自立するために(2017)
○研究者として自立するために(2017)
○分子生物学特論(2017)
○分子生物学特論(2017)
○ゲノム情報学基礎論B(2016)
○分子生物学特論(2016)
○分子生物学特論(2015)
○ゲノム情報学基礎論(2015)
○分子生物学特論(2014)
○遺伝子工学特論(2014)
○分子生物学特論(2014)
○ゲノム情報学基礎論(2014)

他大学の客員教授

教育活動(FD)に関する研究

国際事業協力

留学生参加の社会活動

審議会等の参加

講演可能なテーマ

その他公的社会活動

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